pythonの将棋ソフト開発ライブラリ:cshogiとpython-shogi
pythonの将棋ソフト開発ライブラリの速度比較
プログラミング言語Pythonを使って、将棋ソフトを開発するときに
便利な上記の2つの将棋ライブラリ(cshogiとpython-shogi)について
処理速度の比較をしてみました( ´∀` )
(というか自分の覚書用w)
元々python-shogiが作られ、
その後、 C++により処理速度を向上させたcshogiが作られました。
環境
- Windows10
- WinPython
WPy64-31040→Pythonで将棋ソフト開発環境パックの公開 - 「十六式いろは」のあれこれ
Winpython32-3.9.4.0dot
Winpython64-3.8.12.2dotPyPy - GitHub - gunyarakun/python-shogi: A pure Python shogi library with move generation and validation and handling of common formats.
- GitHub - TadaoYamaoka/cshogi: 高速なPythonの将棋ライブラリ
方法
平手(ハンデなしの初期配置)で、
合法手(反則にならない次の手)を将棋ライブラリから
呼び出し、その中から一手を選び
(何も考えない手。最善の一手にあらず)
局面を進めます。
途中で次の一手が見つからなくなれば、
初期配置に戻します。
ということを、指定回数繰り返した時の
処理時間を比較してみようかと思いまして。
※選ばれる手が異なるでしょうから、公平に
一手指して戻して一手指すということを
繰り返してみたりもしましたが、
結果はほぼ変わりませんでした(;´Д`)w
ソースコード
- python-shogi用
import shogi import time board = shogi.Board() # 何回繰り返すか。10**2は、10の2乗という意味。 cnt = 10**2 # 計測開始 start_time = time.time() for i in range(cnt): board.legal_moves # 合法手を生成する move_lst = list(board.legal_moves) # 合法手をリスト化する if len(move_lst) == 0: # もし合法手がない場合は、平手に戻す。 board = shogi.Board() continue best_move = str(move_lst[0]) # 次の一手を選ぶ。 board.push_usi(best_move) # 指す print(cnt, time.time() - start_time)
- cshogi用
import cshogi import time board = cshogi.Board() # 何回繰り返すか。10**6は、10の6乗という意味。 cnt = 10**6 # 計測開始 start_time = time.time() for i in range(cnt): board.legal_moves # 合法手を生成する move_lst = list(board.legal_moves) # 合法手をリスト化する if len(move_lst) == 0: # もし合法手がない場合は、平手に戻す。 board = cshogi.Board() continue best_move = cshogi.move_to_usi(move_lst[0]) # 次の一手を選ぶ。 board.push_usi(best_move) # 指す print(cnt, time.time() - start_time)
Google Colaboratory で実行できます。
処理時間は以下の結果と異なりますが(;´Д`)w
colab.research.google.com
結果
というか、繰り返す回数の違いから結果は
わかるようなものですが、とりあえずw
環境 | 繰り返し回数 | 処理時間(秒) |
---|---|---|
python-shogi | 100 | 2.72 |
cshogi | 10の6乗(100万) | 3.16 |
python-shogi(pypy) | 100 | 2.41 |
8600倍!?えっ!?Σ(・□・;)
ちなみに、pypyというのは、ある工夫をしてpythonの
処理速度を爆速にしようぜ、的なものです( ´∀` )
ただ、cshogiとは一緒に使えません( ノД`)しくしく
←cshogiが使うnumpyという行列計算等を扱うライブラリと
非常に相性が悪いので。
結論とまとめ
将棋ソフトの棋力を求めるならcshogiを、
処理速度は気にしないが、勉強のために
ライブラリのソースコードも見たいならpython-shogiを、
という感じですネ( ´∀` )
おまけ
「board.legal_moves # 合法手を生成する」だけの繰り返しなら
pypy&python-shogiが爆速だった、なぜだ!?w
←cshogi呼び出すのに時間かかる等かもですネぇ。