「十六式いろは」のあれこれ

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難関公立も定員割れ!? 元塾講師が読み解く、大阪の高校受験

今(2025年3月)、世間では高校の授業料無償化、そして
難関公立高校の定員割れ(寝屋川、八尾、鳳など)というニュースで
騒がれているようなので、元塾講師・塾経営者として色々と思うところがありますが、
公立人気の低下について書こうかと。

特に旧第二学区(2007年度から2013年度)の寝屋川高校あたりの状況について
書きます。(私の地元なので)

私が塾を畳んでから来年で10年になるようです。(2016年に閉塾)
そうかぁ、もうそんなに経つんですね。

時代背景

2015~16年(平成27~28年)当時の大阪は、学区が廃止されて、
内申書相対評価から絶対評価へと変わるような時期でした。
(過渡期というのもあって学校現場の判断からか
絶対評価という名前ではあるものの、実質的には相対評価でしたが)

本題

本題に入ります。
この頃、すでに国公立高校の授業料は無償化されていました。
また、私立高校に関しても2011年(平成23年)からすでに
国や大阪府助成金によって、所得制限付きで授業料は無償化されていました。
世帯年収610万円未満は無償、世帯年収800万円未満(生徒の70%)でも
高校3年間の費用は10万円未満でした。

2015年当時の受験状況

当時(2015、平成27年度)の受験制度はややこしいので、
単純に比較はできないですがデータを書きます。
(今の制度がややこしいかどうかは知らないです、調べてないので)

平成27年度(2015年度)
高校進学者数: 82,146

寝屋川:旧第二学区、難関校(2番手校)
 前期・普通科: 定員80 倍率5.0
 後期・普通科: 定員320 倍率1.3

四條畷:旧第二学区、最難関校
 前期・文理学科(最難関): 定員160 倍率3.3
 後期・普通科      : 定員200 倍率2.0

この頃の高倍率は、昔から旧第二学区の方々は
地元公立志向がとても強い地域だったことの現れかなと思います。

2025年の受験状況

そこから10年経った現在の状況が以下。

★令和7年度(2025年度)
高校進学者数(推計):約71,500(平成27年の87%)

寝屋川
 普通科:  定員360 倍率0.9

四條畷
 文理学科: 定員360 倍率1.4

高校入学者数が13%減っていること、寝屋川高校の定員数が20%減っていることを
考慮すると、寝屋川高校の人気がすごく落ちているようです。
四條畷高校も人気が落ちている)

私の考察や感想

個人が持つイメージ

本来、人の気持ちやその人が持っているイメージって、なかなか変わらないんです。

2015~16年頃、私立校の授業料に対して助成金があるという事実を、
保護者の方々はほぼご存じなかったのですが、私立高校の無償化のお話をしても、
「結局は公立の方が安いんでしょ」と思われる方が多かったのが実際のところです。

だから、以下の記事にあるような「国の授業料無償化」が出てきても
それが理由では、そんなにすぐすぐこんな数字に現れないのです。

(参考)
私学無償化の衝撃、大阪の公立高校の約半数が倍率1倍以下に
人気校の寝屋川、八尾も - 産経ニュース
https://www.sankei.com/article/20250308-USC35K5EGBPOZFQROQVTBX76MY/

それでもここまで数字に現れているということは、
記事の中にある「公立不人気の原因は、大阪府が独自に進めてきた所得制限のない
授業料無償化の拡大に伴い、私立志向が高まっているため」ということが
10年以上かけてようやく世間のイメージが変わってきたのかもしれません。

学校説明会の影響

また、公立高校ではほぼ行わない塾への説明会を、私立高校は積極的に力を入れて
やってきた成果なのかもしれません。
塾側にその学校の良いイメージを持ってもらえると、塾は塾生や保護者に
そのイメージを伝えようとしますからね。

公立高校は宣伝が下手というよりも、宣伝がしにくい体制である上に、
説明会を行う必要がない、というのもあったかと思います。公立は何もしなくても
生徒が集まっていましたし、宣伝や説明会をする余裕がなかったという気もしますが。
ですが、その結果が今年の状況を生んでいるのかもしれません。

ただ当時公立の中でも塾への説明会を行っていた芦間(あしま)高校が
頑張っていた良い事例があります。
自校の良いところを熱心に伝えようとされている印象を私は思っています。
(現在も行っているかは知りませんが、当時の校長は危機感を抱いて行っていた
ようです)
その成果もあってか、普通科とは違う総合学科という個性もあり、
芦間高校はとても人気がありました。

各学校の授業のわかりやすさ

どうにもこうにも今まで、学力のみ(いわゆる偏差値)で学校を選ぶ人が多い
ように思います。もったいないなと。

ちなみに、難関校だからといって授業がわかりやすいかといえば、
公立の場合は全然そうでもない場合が多いです。学生が理解する能力があるので、
授業がわかりやすい、と世間から勘違いされているかと。

現実として、私は職業柄、難関校に通う生徒も多く接してきましたが、
学校の授業の批判も非常に多く、彼らは独学したり塾に頼っていたりして
理解したり乗り越えていました。

つまり公立高校は、先生方個人の差が非常に大きいと、私は思います。
授業研究をするヒマがないくらいに担任業務や保護者対応、クラブ活動などの
授業外の業務が多いだろうことが問題である気がしますが。

なお私立高校はいくつか学校見学をしたのですが、特に進学校は授業研究などを
行っていて先生方個人の差は縮まっているかと思います。

高校のあり方と選び方

学校は良い人脈づくりの場だと思いますので、公立私立に関わらず
各学校の個性を見て学校選びをされれば良いと個人的には思います。
また、その個性がないなら作っていく努力を学校はすべきです。

ここで言う個性は、学生の学力(いわゆる入試の難易度・偏差値)も含まれますが
このニュースを見る限り偏差値65(上位7%未満)を超えないと、
学校側は入試難易度を個性として差別化を図れないと思います。
一般人から見れば偏差値60以上(上位16%未満)でも十分に難関校だと思いますが。

参考資料

2025年度大阪府公立高校一般選抜最終出願状況(全日制128校・定時制全校倍率一覧) - 産経ニュース
https://www.sankei.com/article/20250307-XCMUQGEXSFKTLNI3IEPE3RDNA4/

【高校受験2015】大阪府公立高校前期2/17締切、普通3.31倍・文理3.04倍 | リセマム
 https://resemom.jp/article/2015/02/18/23000.html
【高校受験2015】大阪府公立後期出願状況(確定)、豊中1.98倍 | リセマム
 https://resemom.jp/article/2015/03/11/23443.html

学校基本調査/大阪府(おおさかふ)ホームページ [Osaka Prefectural Government]
 https://www.pref.osaka.lg.jp/fuseiunei/toukeijouhou/toukeikajisshinochousa/gakkoutoukei/gakkoukihonchousa/index.html